ソーシャル・インパクト・ワークスでは、防災士の皆様による「地域コミュニティ活動」をご支援しています。防災士の皆様は、「平常時には、防災意識・知識・技能を活かしてその啓発に当るほか、防災・救助計画の立案等にも参画され、大災害に備えた自助・共助活動等の訓練や、防災と救助等の技術の練磨などに取り組まれています。災害時には、それぞれの所属する団体・企業や地域などの要請により、避難や救助・救命、避難所の運営などにあたり」、自治体や災害支援のNPO・NGO、ボランティアと協働して各種支援活動にも取り組まれてきました。平成27年11月には、累積10万人の防災士が誕生しました。私共は、地域防災力を現実的に向上させていく要諦は、地域が本来持っている絆力、普段からのお祭りや町内清掃等の自治会活動の参加による地域コミュニケーション力の向上が必要不可欠であると考えています。しかし、その力が、今、向上どころか、急激に落ちてきているのではないかと危惧しています。確かに、先の大震災に見舞われた地域にあって、「近隣住民の助け合いや支えあいが、如何にその後の地域再生に重要な役割を果たしたか」、私たちは貴重な教訓を得ました。その一方で、「災害も高齢者介護も先のこととしたい深層の心理」が、少子高齢化、小規模世帯の急増という社会構造の変化、大震災後6年という時間とあいまって、「日々の仕事や生活に追われる中で、自身に直接関係のあること以外になるべく関係したくないし、関係する余裕もない」という、現実の生活があります。こうした中にあって、防災士の皆様が、「自助・共助・協働を原則として、公助との連携充実につとめ」、社会の様々な場で減災と社会の防災力向上のために、思う存分活動ができるように、また孤軍奮闘の末、地域の中で孤独感に包まれ、その素晴らしい防災士としての誇りと本来の力を出し切れずにいることがないように、私共は、防災士の皆様の伴走者であり続けたい、と願っています。これまで私共は、大学・研究機関による地域防災力向上に関する研究・開発をご支援し、自治会・町内会による地区防災計画の立案や定着に向けた研修会などを通して、微力ながら、研究成果の社会実装に貢献して参りました。その過程のなかで、地域に信頼の根を張るNPO・NGO、その活動を支える中間支援組織、消防団・防災士、「国土強靭化地域計画」のもと日夜奮闘されている都道府県・市町村、社会福祉協議会の皆様と連携を深め、活動を共にして参りました。これらのご支援・連携活動で得られた知見や経験、ネットワークを生かし、防災士の皆様にとって頼りがいのある伴走者として、皆様と膝を突き合わせ、皆様に寄り添い、課題解決に向けて、私共は、これからも防災士の皆様を全力でご支援して参ります。